節税テクニック・生活費を経費に

残念ですが、家族へ支払ったお金は、事業の経費にできません。個人事業主の会計処理

家族への支払いは経費にできない。

個人事業主は、家族へ支払ったお金は、事業の経費にできません。

  • 家族名義の不動産の賃料
  • 家族名義の自動車の使用料
  • 家族の所有物を、その家族から購入した費用

こんな費用は、個人事業主の事業の経費にできないのです。
個人事業主が、生計を一にする家族へ支払ったお金は、事業の経費にできません。

例えば、家族が所有する鉛筆を、事業で使用するために100円で購入して、家族が発行した領収書を受け取る。
個人事業主の場合、これは事業の経費にできません。

お店で購入した鉛筆で、そのお店が発行した領収書があれば、当然経費にできます。
しかし、個人事業主が、家族にお金を支払っても、事業の経費にできないのです。

家族への支払いを経費にできないことは、法律で決まっていて、所得税法第56条の規定です。

例外として、個人事業主が、家族へのお金の支払いを経費にできるのは、家族への給与を申請した専従者給与だけです。

青色事業専従者への給与だけは、例外で、事業の経費にできます。


これで私は青色申告しています。

家族の所有物、修理代は事業の経費にできる。

使用料は経費にできないが、修理代なら事業の経費にできる。

家族の所有物を事業で使っても、「使用料」として、家族へ支払ったお金は経費にできません。
しかし、事業で使わせてもらている物の「修理代」は、事業の経費にすることができます。

例えば、家族が所有する自動車を、事業で使わせてもらっている場合は、使用料を事業の経費にすることはできません。
しかし、修理代は、修繕費の勘定科目で事業の経費にすることが可能です。

ただ、自動車の修理などを、家族自身がした場合は、修理費用が経費にできません。
経費にできるのは、家族以外の第三者が修理をして、その第三者に支払った費用だけです。

家族の所有物、固定資産税などは経費にできる。

使ってる資産の税金などは、事業の経費にできます。

家族が所有する資産を事業で使わせてもらっている場合は、その資産に課税される税金は、事業の経費にすることができます。

例えば、家族が所有する自動車を、事業で使っている場合は、その自動車の自動車税は、事業の経費にできます。
また、家族が所有する土地・建物の場合は、固定資産税は事業の経費にできます。
さらに、その建物の火災保険料なども、事業の経費にすることができます。

これは、所得税基本通達56-1で規定されています。

父親が所有する不動産

父親が所有する不動産を、事業で借りている場合の具体例です。

  • 父親と、個人事業主である子は、生計が同じ。
  • 年間120万円の家賃を、父親に支払う。
  • 父親は年間5万円の固定資産税を課税されている。

この時に、家賃分の120万円は、子である個人事業主の事業の経費にできません。
また、家賃分の120万円は、親である父親の収入になりません。
しかし、固定資産税の5万円は、子である個人事業主の事業の経費にできます。

事業用の資産にすると、減価償却費が経費になります。

資産計上して、減価償却費を経費にしましょう。

家族名義の減価償却の対象となる資産は、事業に転用したら「減価償却費」として、事業の経費に計上できます。

鉛筆のような消耗品では、減価償却の対象外なので、家族の所有物を事業で使っても、事業の経費にはできません。
普段から事業用と家事用の区別をしっかりと管理して、事業の経費をしっかり計上して節税しましょう。

会計処理や帳簿は、アプリを使いながら覚えましょう。

いろいろ悩むより、会計アプリを無料で試してみましょう。

会計処理は、難しくて面倒に感じますが、自分で実際に帳簿を作ってみるのが、一番早く覚える方法です。
会計アプリを使えば、誰でも簡単に帳簿が作れますよ。


これで私は青色申告しています。


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参考法令

家族名義のものを事業使った時の関係法令です。

所得税法第56条

(事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例)
第56条 居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、その親族が支払を受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。

所得税基本通達56-1

この基本通達は、税金や保険料が事業の経費にできる根拠です。

法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》関係
(親族の資産を無償で事業の用に供している場合)
56-1 不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を営む居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその有する資産を無償で当該事業の用に供している場合には、その対価の授受があったものとしたならば法第56条の規定により当該居住者の営む当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入されることとなる金額を当該居住者の営む当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入するものとする。

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