個人事業主の決算整理の仕訳で使う勘定科目です。
期首・期末商品棚卸高(売上原価)とは?
その年の初めと終わりの在庫商品の合計金額です。
- 「期首商品棚卸高」とは、その年の初めの在庫の商品の金額です。
- 「期末商品棚卸高」とは、その年の終わりの在庫の商品の金額です。
期首と期末の商品棚卸高、この2つの勘定科目は、個人事業主の決算整理の仕訳で使います。
個人事業主は、1年の終わりの12月末に、売れ残った販売用の商品の在庫を数え、商品在庫の金額を計算します。
販売用の商品や製品のことを「棚卸資産」と言い、その在庫を数えることを「棚卸し」と言います。
これで私は青色申告しています。
期首・期末商品棚卸高、年末の棚卸しで在庫の確認
青色申告では、少なくとも年末に1回、棚卸しを行います。
1年の終わりの12月31日時点の在庫商品の金額が、「期末商品棚卸高」です。
その金額は、そのまま翌年の、期首商品棚卸高になります。
青色申告決算書では、期首商品棚卸高と期末商品棚卸高を使って、売上原価の計算をします。
この期首の金額は、前年の期末の金額と同じです。
また、その年の期末の金額は、そのまま翌年の期首の金額になります。
青色申告では、少なくとも1年に1回、12月末の決算で商品の在庫を数える棚卸しを行う必要があります。
ただ、確定申告のためには、1年に1回だけで構いませんが、商品の在庫管理は、事業を行う上で、とても重要なことです。
在庫を持たない業種では、気にする必要はありませんが、物販などでは、常に在庫を管理できる方法を早く確立しましょう。
棚卸しの計算方法、最終仕入原価法
棚卸しでの、商品の評価額を計算する方法です。
棚卸しの方法は、売れ残りの商品の数に、仕入れ単価をかけます。
商品の種類ごとに計算して、その金額を合計したものが、棚卸高になります。
同じ種類の商品でも、仕入れた時期によって仕入単価が違う場合は、年末に一番近い時期の単価を使います。
この単価の算出方法を、「最終仕入原価法」と言います。
個人事業主は、原則として、「最終仕入原価法」で棚卸しを行います。
計算の具体例、最終仕入原価法
- 商品A、在庫50個、仕入単価2,000円
- 商品B、在庫20個、仕入単価3,500円(8月)、4,000円(10月)
商品Bは、8月と10月に仕入れていますが、10月の仕入単価4,000円で計算します。
商品Aは、50×2,000=100,000円
商品Bは、20×4,000=80,000円
棚卸高は、180,000円です。
仕訳の具体例、期首・期末商品棚卸高
決算整理での、帳簿の仕訳の具体例です。
- 前年末の商品棚卸高が、80,000円
- 本年末の商品棚卸高が、95,000円
借方 |
貸方 |
---|---|
期首商品棚卸高 80,000円 |
商品 80,000円 |
商品 95,000円 |
期末商品棚卸高 95,000円 |
期首と期末の商品棚卸高の仕訳は、決算整理として、12月末に1回だけ仕訳します。
期首の仕訳は、本来は1月の初めに行う仕訳ですが、実際の業務では、年末に期末の仕訳と2つ同時に行って構いません。
期首商品棚卸高は、仕入金額と足し合わせ、合算されます。
逆に、期末商品棚卸高は、仕入金額から差し引かれ、除外されます。
「商品」は資産の部の勘定科目で、「棚卸資産」として、翌年に繰り越されます。
期首・期末商品棚卸高、青色申告決算書の記入例
会計アプリを使えば、決算書の記入は、自動的にやってくれます。
青色申告決算書1ページの損益計算書に、期首と期末の商品棚卸高を記載します。
また、青色申告決算書4ページの貸借対照表にも、棚卸資産として、期首と期末の商品棚卸高を記入します。
「損益計算書」、青色申告決算書1ページ
棚卸しで在庫の確認をした、この期首と期末の商品棚卸高を使って、売上原価を計算します。
「期首商品棚卸高」と「仕入金額」を合計して、「期末商品棚卸高」を差し引きます。
その金額が、その年の「売上原価」となります。
貸借対照表、青色申告決算書4ページ
期首と期末の在庫商品は、貸借対照表では棚卸資産の欄になります。
棚卸資産の期首には、前年から繰り越された「商品」の金額です。
棚卸資産の期末には、翌年に繰り越す「商品」の金額です。
会計アプリを使うと、この損益計算書と貸借対照表は、自動的に記入してくれます。
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これで私は青色申告しています。
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