青色申告決算書の勘定科目

負債・資本の部・貸借対照表、青色申告決算書の勘定科目

貸借対照表の勘定科目、負債の部、資本の部の紹介です。

貸借対照表は、青色申告の必須条件

65万円の青色申告特別控除のためには、貸借対照表の作成が必要です。
この点が、貸借対照表がない収支内訳書だけでOKの白色申告と、青色申告の大きな違いです。

貸借対照表の作成は、勘定科目が多くて面倒ですが、実際にアプリを使いながら、帳簿を作って覚えましょう。
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「負債の部」の勘定科目

「貸借対照表」は、青色申告決算書の4ページにあります。

貸借対照表の負債の部に最初から記入されている勘定科目を紹介します。

支払手形

支払いのために振り出した、手形の残高を管理する勘定科目です。
手形での取引がなければ、この勘定科目は使いません。

買掛金

買掛金の残高を管理する勘定科目です。
販売目的の商品を先に受け取り、代金を後払いするのが、買掛金です。
いわゆる「ツケ」で仕入れた時に使います。

買掛金は、商品と製品原材料の仕入れ限定の勘定科目です。
後払いのツケで買った場合でも、販売を目的としない品物やサービスは、「未払金」の勘定科目になります。
売上原価の仕入れは「買掛金」、消耗品費や広告宣伝費などの経費が「未払金」の勘定科目です。

借入金

いわゆる借金のことです。

銀行などから事業用に融資を受けた借入金の、残高を管理する勘定科目です。

法人の場合は、借入金を短期と長期に区別します。
短期借入金とは、支払期限が1年以内の借入金、長期借入金とは、支払期限が1年を超える借入金です。

借入金が少ない個人事業主の場合は、短期と長期の使い分けは、必要ありません。
青色申告決算書に最初から書いている、この借入金の勘定科目を使いましょう。

未払金

販売用の仕入れ以外で、未払いの経費が「未払金」です。

未払金の残高を管理する勘定科目です。

商品と製品原材料以外の、品物やサービスを先に受け取り、代金を後払いするのが、未払金です。
いわゆる「ツケ」で買った場合でも、販売を目的とする商品の場合は、「買掛金」の勘定科目になります。

消耗品費や広告宣伝費などを後払いした場合に、この「未払金」の勘定科目を使います。

前受金

商品を販売する時に、代金の一部を先に受け取った金額を管理する勘定科目です。

内金や手付金と言われるお金を受け取った時が、前受金になります。
前受金は、商品や製品など、本業の販売で代金の先受けに使う勘定科目です。

事務用品の売却、固定資産の売却など、本業の商品以外の売却で先に代金をもらった時には、厳密に言うと「仮受金」の勘定科目を使用します。

ただ、青色申告決算書の勘定科目には、最初から前受金はありますが、仮受金はありません。
少額であれば気にせず、どちらの取引も、前受金で会計処理して構いません。
土地や建物の売却などで、前受金の金額が大きくなった場合には、仮受金の勘定科目を追加してもいいですし、追加せずに特殊事情欄への記入でも構いません。


これで私は青色申告しています。

預り金

従業員などから預かった、保険料や所得税が「預り金」です。

従業員や取引先などから、一時的に預かっている金銭を管理する勘定科目です。

  • 従業員や家族専従者へ、支払った給与から天引きした源泉所得税や社会保険料を、一時的に預かっている場合。
  • 原稿料や取材協力金、謝礼金などを取引先へ支払う時に天引きした源泉所得税を、一時的に預かっている場合。
  • 税理士や弁護士へ報酬を支払う時に天引きした源泉所得税を、一時的に預かっている場合。

預り金とは、このような本来他人が負担すべき金銭を、事業主が納付代行のため預かった場合に計上します。
一時的に預かっていた源泉所得税を税務署へ納付した場合などに、会計処理して預り金を解消します。

従業員を雇っている個人事業主には、源泉所得税の徴収義務があります。
家族専従者も含めて、従業員を誰も雇用していない場合は、源泉徴収義務はありません。
人を雇用していない個人事業主が、原稿料、税理士報酬、これらを支払っても源泉徴収をしなくていいのです。

一人で事業を行っている個人事業主は、この預り金の勘定科目は、基本的に使いません。
ただし、取引先などから、保証金などの名目で預かっている金品があれば、人を雇用していない個人事業主でも、預り金に計上します。

貸倒引当金

貸倒引当金繰入額は、青色申告決算書2ぺーじで計算します。

将来の貸倒れの可能性に備えて、一定の金額を、その年の利益から減らす勘定科目です。
将来の貸倒れに備えて、あらかじめその年の利益を減らすのが貸倒引当金です。

貸倒引当金を繰入れた場合には、負債として、ここで貸借対照表に計上されます。
個人事業主の青色申告決算書では、貸倒引当金は、損益計算書の「各種引当金・準備金等」で計上します。

「資本の部」の勘定科目

青色申告決算書の「資本の部」の勘定科目です。

事業主借

事業用の資金として、個人事業主から受け入れた金額の勘定科目です。
プライベートな資金から、事業用の支出をした場合や、事業用の銀行口座に、事業と関係のない収入があった場合も、この事業主借になります。プライベートから「借りる」、それが事業主借です。

元入金

事業用に、事業主が拠出した資金の残高を管理する勘定科目です。
元入金は、期首の資産の総額から、期首の負債の総額を差し引いて計算する、期首時点の資本の金額です。

事業を始める時に拠出した元入金に、毎年の決算で利益が加えられ、元入金は増加します。
決算で損失が出ると、元入金は減少します。

事業開始時点での資金拠出は、元入金の勘定科目を使います。
それ以後に事業用の資金を、個人事業主が提供した場合には、事業主借の勘定科目を使います。

個人事業主の元入金は、法人での資本金のような意味合いになります。

青色申告特別控除前の所得金額

この金額が、事業での利益です。

その年の事業での利益の金額です。
損益計算書と貸借対照表、この両方に出てくる「青色申告特別控除前の所得金額」ですが、金額は必ず一致します。

会計アプリを使えば自動的に一致します。
帳簿をアプリを使わず自力で作って、もし一致していなかったら、帳簿のミスがあります。

この「青色申告特別控除前の所得金額」から、青色申告特別控除を差し引いた金額が、所得税を計算する事業での最終的な「所得金額」になります。

会計処理や帳簿は、アプリを使いながら覚えましょう。

いろいろ悩むより、会計アプリを無料で試してみましょう。

会計処理は、難しくて面倒に感じますが、自分で実際に帳簿を作ってみるのが、一番早く覚える方法です。
会計アプリを使えば、誰でも簡単に帳簿が作れますよ。


これで私は青色申告しています。


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