怪我は自己責任、厳しいですが、これが個人事業主の現実です。
個人事業主が業務中に怪我、労働災害の保険はどうなる?
個人事業主本人には、労災保険がありません。
個人事業主本人が、業務の途中で怪我をしても、労災保険がないので、自己負担での治療です。
さらに、病院で支払った、その怪我の治療費は、事業の経費にはできません。
労働災害とは、業務中や通勤中の「労働者」の災害です。
個人事業主の業務中の災害は、そもそも労災とは言いません。
また、青色事業専従者も、労働者ではないので、労災保険はありません。
仕事中の怪我でも、治療費は自己負担で、事業の経費にもできない…
労働者とは?、個人事業主と青色事業専従者は、労働者じゃない、労働基準法 |
ケガは自己責任、個人事業主本人の場合。
仕事中のケガであっても、個人事業主本人の場合は、事業と完全に切り離して、完全に自己責任で、治療費も自己負担となります。
- 怪我をしても自己責任。
- 労災保険はなし。
- 事業の経費にもできない。
- 国民健康保険は使える。
厳しいですが、これが個人事業主の現実です。
ただ、労災保険はありませんが、治療費は国民健康保険が適用になります。
治療の費用が無保険ではないので、ご心配なく。
また、支払った治療費は、確定申告で医療費控除の対象とすることができます。
完全に個人的な治療費として取り扱うってことですね。
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どうしても労災保険に加入したい個人事業主のための特別加入制度
任意で保険料を支払えば、特別に加入させてもらえる制度があります。
労災保険に加入できない個人事業主などのために、任意で保険料を支払えば、特別に加入させてもらえる制度があります。
中小事業主が加入できる、労災保険の特別加入制度です。
小規模な個人事業主の本人が、保険料を支払って加入できます。
また、個人事業主の同居家族である青色事業専従者も、この特別加入制度の加入者になれます。
この特別加入制度は、小規模な事業主の救済制度なので、保険料も安く設定されています。
業種によって保険料率は違いますが、小売業などサービス業の個人事業主なら、休業補償給付額の0.3%程度の保険料で加入できます。
労災保険の特別加入制度、事業の経費にできません。
特別加入制度の保険料は、社会保険料控除です。
特別加入制度の保険料は、事業の経費ではなく、社会保険料控除になります。
この労災保険の特別加入制度の保険料は、任意加入の保険料なので、事業の経費にはできません。
しかし、確定申告では、支払った保険料の全額を、社会保険料控除とすることができます。
事業用の資金で、労災特別加入の保険料を支払った場合は、個人事業主のプラーベートな支出として、事業主貸の勘定科目で会計処理します。
<参考>国税庁HPタックスアンサー
No.1130、社会保険料控除
社会保険料控除、個人事業主の確定申告書、こんなにある所得控除、上手に活用して節税しよう。 |
個人事業主の労災に、国民健康保険は使えるの?
個人事業主が加入する国民健康保険は、業務中の怪我でも、治療費には保険が適用されます。
国民健康保険に加入する、個人事業主のみなさん、安心してくださいね。
ただし、国民健康保険には休業補償がありませんので、収入減少は自己責任です。
労災に使えないのは、会社員などが加入する組合健保や協会健保の方だけです。
よく、労災に会社員などの健康保険が使えないので、国民健康保険も労災に使えないって、誤解されています。
国民健康保険には、そもそも業務という定義がなく、仕事中か、仕事以外かの区別がありません。
また、組合健保や協会健保でも、労災保険が適用されない場合は、健保が適用されます。
労災には国民健康保険が使えない、これはよくある誤解で、実際には使えるんです。
国民健康保険が労災で使える根拠、健康保険の法律
法律を読めば納得です。
労災の時に、国民健康保険が使えて、会社員の健保は使えないって根拠は、法律を読めばわかります。
国民健康保険法には、業務災害という言葉はありませんが、会社員の健保が対象の健康保険法では、業務災害以外と明記されています。
国民健康保険法
国民健康保険法には、業務という区分がありません。
第一条 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。
第二条 国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。
健康保険法
健康保険法では「業務災害以外」と決めれらています。
第一条 この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(*)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
(*)労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号 に規定する業務災害をいう。
まとめ、個人事業主本人が仕事中にケガ
個人事業主本人の労災、まとめです。
- 労災保険は原則なし。
- 治療費は事業の経費にできない。
- 治療費に国民健康保険は適用される。
- 特別加入制度なら任意で労災保険に加入もできる。
- 労災特別加入の保険料は事業の経費にできない。
- 労災特別加入の保険料は確定申告で社会保険料控除。
- 怪我の治療費負担は確定申告で医療費控除の対象。
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これで私は青色申告しています。
たくさん税金払うの好きですか?