帳簿・勘定科目・複式簿記

個人事業主で、貯蔵品の資産計上は必要なのか?

小規模な個人事業主は、貯蔵品って言葉は、基本的に無視でOKです。

貯蔵品とは、未使用の消耗品などのことです。

貯蔵品とは、販売目的以外の、自分で使用する目的で所有している物で、未使用の物のことです。

  • 文房具などの事務用品
  • 切手、ハガキ、印紙
  • 暖房用灯油などの燃料
  • ペンチなどの工具
  • ダンボールなどの資材

これらを事業で使用すれば消耗品費で、購入した年の費用です。
しかし、未使用で決算をむかえ、年を越すと「貯蔵品」です。

使ってしまうと消耗品費、未使用で年を越すと「貯蔵品」です。

個人事業主と貯蔵品の会計処理

年末時点で未使用の消耗品などは、決算整理で一旦、貯蔵品として資産計上するのが、厳密な会計処理です。

ただ、小規模な個人事業主では、そんな面倒な会計処理は不要です。
全額を消耗品費で、その年の経費にして大丈夫。

小規模な、フリーランス・個人事業主の場合は、貯蔵品って言葉は、無視してOK。

法人では、消耗品や燃料などの数量が多い場合には、決算整理で経費から振り替えて、貯蔵品として資産に計上します。
小規模な個人事業主は、少額のものを、あえて貯蔵品として、資産計上する必要はありません。

ちなみに、販売目的の商品は、在庫として年を越す場合には、個人事業主でも厳密に、決算整理で棚卸資産の「商品」の勘定科目として、資産に計上します。


これで私は青色申告しています。

貯蔵品の正規の会計処理、仕訳の具体例

これが厳密な会計処理です。

  1. 購入時に消耗品費の勘定科目で経費にする。
  2. 決算時点で消耗品費から、貯蔵品として資産計上する。

ただ、貯蔵品になる、未使用の消耗品費などの金額が、少額の場合は、厳密な会計処理は不要です。
税務上は、毎年おおむね一定の数量を継続的に購入する消耗品などは、資産計上する必要はないと、「所得税法基本通達37-30の3」で認められています。

仕訳の具体例、貯蔵品の決算整理

あまりに過剰な貯蔵品は、小規模な個人事業主でも、正規の会計処理が必要です。

5万円の消耗品が、未使用で100個あり、評価額が500万円。
こんな場合は、当然ですが、貯蔵品に計上しなきゃダメですよね。
常識の範囲で判断しましょう。

購入時の仕訳
5万円の消耗品を100個、事業用の銀行預金で購入した時の仕訳です。

借方

貸方

消耗品費 5,000,000円

普通預金 5,000,000円

決算整理の仕訳
5万円の消耗品を100個、未使用のまま、年を越した時の仕訳です。

借方

貸方

貯蔵品 5,000,000円

消耗品費 5,000,000円

年末時点で、費用の「消耗品費」にしていた5,000,000円を、資産の「貯蔵品」の勘定科目に振り替えています。
この仕訳によって、消耗品費5,000,000円は、その年の経費にならずに、翌年以降に繰り越されます。

翌年に、この5,000,000円分の消耗品を使った場合に、逆仕訳で、消耗品費として経費に会計処理します。

貯蔵品の勘定科目は追加する。

青色申告決算書には、「貯蔵品」の勘定科目は、最初はありません。
通常は、棚卸資産の勘定科目に、貯蔵品も含めます。

個人事業主向けの会計アプリでは、「貯蔵品」の勘定科目は、「棚卸資産」に自動的に集計される勘定科目となっています。

「貯蔵品」の金額が多い場合には、「棚卸資産」と区別したほうが、帳簿がわかりやすくなります。
販売目的の在庫「商品」の「棚卸資産」と、消耗品などの「貯蔵品」を、区別したい場合は、新しく「貯蔵品」の勘定科目を追加します。

会計処理や帳簿は、アプリを使いながら覚えましょう。

いろいろ悩むより、会計アプリを無料で試してみましょう。

会計処理は、難しくて面倒に感じますが、自分で実際に帳簿を作ってみるのが、一番早く覚える方法です。
会計アプリを使えば、誰でも簡単に帳簿が作れますよ。


これで私は青色申告しています。


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