医療費控除、ドラッグストアの風邪薬もOK。リポビタンD、チオビタドリンクは？

医療費控除の対象、これはOK?、それともNG?

ドラッグストアで購入した、風邪薬や絆創膏、そして、栄養ドリンク。
妊娠・出産費用やマッサージ代など、医療費控除の対象を整理します。

所得税の確定申告で、医療費控除の対象となるのは、病気や怪我などの治療や診療のために、実際に支払った費用です。

もちろん、歯の診療も、医療費控除の対象です。

しかし、病院での支払いでも、医療費控除の対象外の費用もあります。

健康診断、人間ドック、病気の予防、健康増進のための費用は、医療費控除の対象外です。
単に、体調を整える、疲れを癒す、といった治療に直接関係ない場合も、医療費控除の対象外です。

医療費控除OK。

• 治療や診療のため病院に支払った診療費用
• 歯科、眼科などでもOKです。
• 治療や療養に必要な医薬品の購入費用
• 病院に行くために必要な公共交通費
• タクシー代もどうしても必要ならOKです。
• 入院中に病院から支給される食事代
• 消費税も含めた総額が対象

医療費控除NG。

• 健康診断や人間ドックの費用
• マイカーで通院した交通費
• 医師や看護師への謝礼金
• 本人希望の差額ベッド料金
• 入院時のパジャマや洗面用具
• 入院中に自分で購入した食べ物やお菓子。
• お見舞いの費用

医療費控除は実際に負担した費用、給付金は差し引きます。

• 生命保険などの入院費給付金
• 高額療養費制度の給付金
• 健康保険などの給付金
• 出産育児一時金

医療費を支払った後に、健康保険などから、給付金が支給される場合があります。

このような給付金をもらった場合は、医療費から給付金を差し引いた金額が、医療費控除の対象となります。
実際に負担した金額だけが、医療費控除の対象になるってことです。

ドラッグストアで買った市販薬でもOK。

ドラッグストアで売られている市販の風邪薬などでも、治療目的で医薬品を購入した場合は、医療費控除の対象になります。

医師の処方箋は、絶対ではありません。

市販の頭痛薬、胃腸薬、解熱剤、目薬、湿布薬など、これらも治療目的ならOK。
また、怪我の治療目的の、絆創膏、カーゼ、消毒液なども、もちろんOK。

マッサージ代も治療ならOKです。

マッサージの料金でも、整骨院などで体の不調を治療する目的なら、医療費控除の対象になります。

• あん摩マッサージ指圧師
• はり師
• きゅう師
• 柔道整復師

この4つの国家資格を持つ人が行う診療行為に対する対価は、医療費控除の対象となります。

マッサージの目的が、体調を整える、疲れを癒す、といった治療ではない場合は、医療費控除にはできません。
また、エステなどで、国家資格を持たない人から受けたマッサージは、医療費控除の対象外です。

リポビタンDで医療費控除、栄養ドリンクでもOK？

栄養ドリンクでも、風邪などの治療目的での服用なら、医療費控除の対象となります。
ただし、単なる疲労回復や健康増進、病気の予防が目的で、栄養ドリンクを飲んでも、医療費控除の対象にできません。

さらに、栄養ドリンクには、法律で種類が決められていて、医療費控除の対象にできるのは原則「医薬品」限定です。

医薬品や医薬部外品を定めているのが「薬事法」という法律でした。
「薬事法」は、平成26年に題名が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と長い名前に変更され、略称は「薬機法」となりました。

リポビタンD、チオビタドリンクは医薬品ですか？

栄養ドリンクで有名な、リポビタンDは「医薬部外品」、チオビタドリンクも「医薬部外品」です。
どちらも薬事法での「医薬品」ではありません。

しかし、リポビタンDや、チオビタドリンクには、多くの種類があって、医薬品もあります。

• リポビタンゴールドエース、第2類医薬品
• リポビタンＤロイヤル、第3類医薬品
• チオビタゴールド2000、第2類医薬品

これらは、リポDシリーズや、チオビタシリーズの中でも医薬品なんです。

栄養ドリンクと医療費控除の条件

• 医薬品を、風邪などの治療や療養で使う場合は、医療費控除OK。
• 医薬品でも、予防や健康増進なら、医療費控除NG。
• 医薬部外品は治療でも、原則、医療費控除NG。
• ただし、医薬部外品でも、医師の診断書での服用なら、医療費控除OK。

リポビタンD（医薬部外品）を無理やり医療費控除にするには。

病院の医者に、無理やり頼んで、治療にリポビタンD（医薬部外品）の服用が必要と、診断書に書いてもらえば、その病気の治療期間に飲んだリポビタンDは、医療費控除の対象にできます。

お医者さんが、そんな診断書を書いてくれればの話ですが。
しかし、リポビタンDでの節税金額より、診断書の発行料金の方が高くなり、ほぼ確実に損します。やめておきましょう。

医療費控除は、妊娠、出産費用もOKです。

妊娠中の検診費用や、通院にかかる交通費も、医療費控除の対象です。
もちろん、出産費用も医療費控除の対象です。

ただし、出産育児一時金の支給を受けたら、医療費の計算から差し引き、実際に自分が負担した費用だけが、医療費控除の対象になります。
また、出産後の検診の費用も、医療費控除の対象になります。

これも医療費控除の対象なんです。

眼科でのレーシック手術、子供の歯の矯正、禁煙治療、ED治療、医師の診断書による厚労省指定温泉療養、医師の診断書による厚労省指定運動施設。
こんなものまで、医療費控除の対象とすることができるんです。

• Q&A、これは医療費控除の対象ですか？、具体例で丁寧に。

• まとめ、医療費控除の仕組み、確定申告の手続き方法、医療費明細書の作成方法

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