税務調査とは?反面調査とは? 調査を受ける時どうする?

   

任意の税務調査、取引先の反面調査、マルサの強制調査があります。

税務調査とは?

個人事業主への税務調査は、税務署が実施します。

税務調査とは、納税者が申告した納税内容を、国税局や税務署が帳簿などで確認する調査です。

個人事業主の場合は、税務署から確定申告の内容を、確認される調査になります。
売上が1,000万円を超える場合は、所得税の他に消費税も税務調査の対象です。

税務調査での指摘があれば、修正申告を求められます。
修正しない場合は、税務署の権限で更正処分になります。
時間が経過すると追徴額が多くなるので、時間をかけるのは避けたいところです。

ちなみに大企業の税務調査は、国税局が直接担当し、法人税と消費税が対象になります。

税務調査は任意調査ですが、黙秘はできません。

任意調査でも、黙秘はできない。

税務調査のほとんどは、任意調査です。
任意調査なので、納税者の同意の下で行われる調査になります。

この任意調査は、国税通則法に規定されています。

任意調査であっても、調査官には質問検査権という権限があります。
黙秘や虚偽回答はできません。
違反した場合は罰則があり、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

刑事事件では、黙秘をしても、原則、不利益にはなりません。
税務調査では、黙秘をすると、必ず、不利益になります。

税務調査、日程変更も可能

日程は、ある程度調整が変更できます。

任意調査は、事前に通知されるのが一般的で、電話や文書で一週間以上前に連絡があります。
どうしても都合が悪ければ、日程変更も可能です。

ただし、調査官を怒らせると、確実に損します。
可能な限り、都合を合わせて、調査に協力しましょう。

税務調査、抜き打ち調査もあるんです。

現金商売の場合は、抜き打ち調査の可能性が大きいです。

税務署には事前通知なしの調査の権限もあります。

所得税の税務調査の件数の2割程度は、抜き打ちで実施されています。
法人税での抜き打ちは1割程度とのこと。

税務調査は1名か2名で実施され、通常は1週間以内で終わります。
事前通知なしの現金商売では、5名程度の場合があります。

小規模なフリーランスの場合は、1日で終わることがほとんどです。

主な調査対象は、売上除外、棚卸除外、経費水増し。悪質と判断されると、重加算税35%が上乗せされます。
調査は徹底的にやられ、取引先や、退職した従業員にまで、帳簿の確認をとる反面調査が行われる場合もあります。

反面調査とは?

反面調査とは、税務調査の対象者の取引先に対して、実施される調査です。

本来の税務調査対象者の帳簿だけでは、事実確認できない内容を、その取引先に確認するために行う調査です。

自分の取引先に反面調査が行われる場合

反面調査は、税務署が必要と判断すれば、取引先はもちろん、退職した従業員とその家族にまで調査を行う場合があります。
どこまでも、徹底的に調べられます。

しかし、もし後日取引先に税務調査が入れば、こちらが反面調査をうける可能性もあります。
反面調査は、「お互い様」という関係になるんです。

反面調査が、簡単な領収書の確認程度ならお互い様ですが、しつこく反面調査を受けると、取引先も当然嫌がります。
取引先に領収書の内容確認をされると、こちらが領収書を紛失しているのでは?、と取引先から疑われます。
取引先から、領収書を管理できない相手と取引したくないと、思われるかもしれません。

反面調査は、取引先との関係が悪化する恐れもあります。
できることなら、反面調査はしてほしくないですよね。

税務署に疑われないシンプルな帳簿、それが反面調査を防ぐ方法です。

取引先の反面調査を受ける場合

取引先の反面調査を受ける時には、事実だけを答える。

反面調査を受けたら、事実をしっかり答えること。
調査官には、通常の税務調査と同様に、質問検査権があります。

また、黙秘や虚偽回答には罰則規定があります。
しかし、聞かれていないことは、答える必要はありません。

面倒なことに巻き込まれるのは嫌なのが本音。

反面調査を受けたら、良好な関係を続けたい取引先には、反面調査があったことを伝えたほうがいいでしょう。

万が一、取引先から口裏あわせ、虚偽回答を依頼されたら、どうするか?

それでも、事実をしっかり答えましょう。

取引先に、虚偽回答を依頼されても、事実だけを答えましょう。

税務署の調査に虚偽回答を依頼してくる取引先は、まともな相手ではありません。
そもそも反面調査をする時点で、税務署の調査官は何らかの疑惑を持っています。

小手先のウソで騙されるほど、税務署の調査官は甘くはないです。
脱税に加担した犯罪者になりたくなければ、事実をしっかり答えましょう。

取引先に気が引けるなら、口頭ではなく、帳簿をしっかり提示して事実を伝える。
「帳簿を隠したけど、見つかっちゃった。」とでも、取引先には報告しましょう。

圧倒的にお世話になっている取引先で、依頼されて虚偽回答するほど大事な相手なら、その時はしょうがないですね。
ただし脱税への加担は、犯罪です。
何があっても全て自己責任になります。

マルサには強制調査の権限もあります。

マルサとは、国税局査察部の通称です。

税務調査には、任意調査の他に、強制調査もあります。

国税局査察部(通称マルサ)が、裁判所の令状を得て強制的に行う調査です。

1億円以上で悪質な隠蔽工作の疑いがある場合に、マルサが登場。
普通の個人は、マルサの調査とは関係ないです。

マルサから検察庁に告発されると、刑事事件になります。
ちょっと古いデータですが、2010年度の一審判決152件の全てで有罪判決だそうです。
マルサ恐るべし、ですね。

国税局とは財務省国税庁の地方組織で、東京国税局や大阪国税局などがあります。
国税局の管轄下の組織が、税務署です。
国税局とは、税務署の元締めなのです。

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<参考>国税通則法(抜粋)

税務調査の根拠法令です。

(納付受託者の帳簿保存等の義務)
第34条の6 納付受託者は、財務省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに納付事務に関する事項を記載し、及びこれを保存しなければならない。
2 国税庁長官は、前2条及びこの条の規定を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、財務省令で定めるところにより、納付受託者に対し、報告をさせることができる。
3 国税庁長官は、前2条及びこの条の規定を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、納付受託者の事務所に立ち入り、納付受託者の帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
4 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
5 第3項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
6 国税庁長官は、政令で定めるところにより、第3項に規定する権限を国税局長に委任することができる。

(当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権)
第74条の2 国税庁、国税局若しくは税務署(以下「国税庁等」という。)又は税関の当該職員(税関の当該職員にあつては、消費税に関する調査を行う場合に限る。)は、所得税、法人税、地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類その他の物件(税関の当該職員が行う調査にあつては、課税貨物(消費税法第2条第1項第11号(定義)に規定する課税貨物をいう。第4号イにおいて同じ。)又はその帳簿書類その他の物件とする。)を検査し、又は当該物件(その写しを含む。次条から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)において同じ。)の提示若しくは提出を求めることができる。

(納税義務者に対する調査の事前通知等)
第74条の9 税務署長等(国税庁長官、国税局長若しくは税務署長又は税関長をいう。以下第74条の11(調査の終了の際の手続)までにおいて同じ。)は、国税庁等又は税関の当該職員(以下同条までにおいて「当該職員」という。)に納税義務者に対し実地の調査(税関の当該職員が行う調査にあつては、消費税等の課税物件の保税地域からの引取り後に行うものに限る。以下同条までにおいて同じ。)において第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求(以下「質問検査等」という。)を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)に対し、その旨及び次に掲げる事項を通知するものとする。
一 質問検査等を行う実地の調査(以下この条において単に「調査」という。)を開始する日時
二 調査を行う場所
三 調査の目的
四 調査の対象となる税目
五 調査の対象となる期間
六 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
七 その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項
2 税務署長等は、前項の規定による通知を受けた納税義務者から合理的な理由を付して同項第1号又は第2号に掲げる事項について変更するよう求めがあつた場合には、当該事項について協議するよう努めるものとする。
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 納税義務者 第74条の2第1項第1号イ、第2号イ、第3号イ及び第4号イ並びに第74条の3第1項第1号イ及び第2号イに掲げる者、第74条の4第1項並びに第74条の5第1号イ及びロ、第2号イ及びロ、第3号イ及びロ、第4号イ及びロ並びに第5号イの規定により当該職員による質問検査等の対象となることとなる者並びに第74条の6第1項第1号イ及び第2号イに掲げる者
二 税務代理人 税理士法第30条(税務代理の権限の明示)(同法第48条の16(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の書面を提出している税理士若しくは同法第48条の2(設立)に規定する税理士法人又は同法第51条第1項(税理士業務を行う弁護士等)の規定による通知をした弁護士若しくは同条第3項の規定による通知をした弁護士法人
4 第1項の規定は、当該職員が、当該調査により当該調査に係る同項第3号から第6号までに掲げる事項以外の事項について非違が疑われることとなつた場合において、当該事項に関し質問検査等を行うことを妨げるものではない。この場合において、同項の規定は、当該事項に関する質問検査等については、適用しない。
5 納税義務者について税務代理人がある場合において、当該納税義務者の同意がある場合として財務省令で定める場合に該当するときは、当該納税義務者への第1項の規定による通知は、当該税務代理人に対してすれば足りる。
6 納税義務者について税務代理人が数人ある場合において、当該納税義務者がこれらの税務代理人のうちから代表する税務代理人を定めた場合として財務省令で定める場合に該当するときは、これらの税務代理人への第1項の規定による通知は、当該代表する税務代理人に対してすれば足りる。

(事前通知を要しない場合)
第74条の10 前条第1項の規定にかかわらず、税務署長等が調査の相手方である同条第3項第1号に掲げる納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、同条第1項の規定による通知を要しない。

(調査の終了の際の手続)
第74条の11 税務署長等は、国税に関する実地の調査を行つた結果、更正決定等(第36条第1項(納税の告知)に規定する納税の告知(同項第2号に係るものに限る。)を含む。以下この条において同じ。)をすべきと認められない場合には、納税義務者(第74条の9第3項第1号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる納税義務者をいう。以下この条において同じ。)であつて当該調査において質問検査等の相手方となつた者に対し、その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知するものとする。
2 国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、当該職員は、当該納税義務者に対し、その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額及びその理由を含む。)を説明するものとする。
3 前項の規定による説明をする場合において、当該職員は、当該納税義務者に対し修正申告又は期限後申告を勧奨することができる。この場合において、当該調査の結果に関し当該納税義務者が納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付しなければならない。
4 前3項に規定する納税義務者が連結子法人である場合において、当該連結子法人及び連結親法人の同意がある場合には、当該連結子法人へのこれらの項に規定する通知、説明又は交付(以下この項及び次項において「通知等」という。)に代えて、当該連結親法人への通知等を行うことができる。
5 実地の調査により質問検査等を行つた納税義務者について第74条の9第3項第2号に規定する税務代理人がある場合において、当該納税義務者の同意がある場合には、当該納税義務者への第1項から第3項までに規定する通知等に代えて、当該税務代理人への通知等を行うことができる。
6 第1項の通知をした後又は第2項の調査(実地の調査に限る。)の結果につき納税義務者から修正申告書若しくは期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付があつた後若しくは更正決定等をした後においても、当該職員は、新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定に基づき、当該通知を受け、又は修正申告書若しくは期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付をし、若しくは更正決定等を受けた納税義務者に対し、質問検査等を行うことができる。

第127条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
一 第23条第3項(更正の請求)に規定する更正請求書に偽りの記載をして税務署長に提出した者
二 第74条の2、第74条の3(第2項を除く。)、第74条の4(第3項を除く。)、第74条の5(第1号ニ、第2号ニ、第3号ニ及び第4号ニを除く。)若しくは第74条の6(当該職員の質問検査権)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査、採取、移動の禁止若しくは封かんの実施を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
三 第74条の2から第74条の6までの規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出した者

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